






山麓に位置する北投の盛会


〈台北大納涼会〉, 台湾日日新報 , 1913年8月9日
北投区には大屯火山群の一部や関渡平原が含まれ、変化に富んだ地形により、北投の特殊な風景が形成されています。特に火山群から生まれた温泉地は広く知られています。温泉の人気は非常に高く、それまでになかった新しい余暇の楽しみ方や娯楽活動も取り入れるようになり、温泉地の形成から納涼会の開催まで、観光地としての北投のイメージが確立されました
こちらの展示は北投納涼会の流れに沿って三つのテーマ─「北投へ行こう」・「北投で遊ぶ」・「北投の味」に分けてご覧いただきます。観光列車の開通により、北投には当時最新の交通手段が建設され、それと同時に新しい娯楽活動も導入されました。例えば、西洋風写真の放映や、舞龍と言われる台湾舞踊の登場などです。また、当時はなかなか手に入らなかった西洋の冷たいデザート─アイスキャンディーやソーダ水など、多元的な飲食文化も加わりました。
北投納涼会はレジャーやショッピング、文化活動などが一つになったもので、娯楽が非常に少なかった当時の環境において、とても魅力的なイベントでした。このようなレクリエーションは、交通や飲食、娯楽活動の時代を超えた意義の象徴だっただけでなく、レジャースポットとしての北投の文化を大いに盛り立てました。それによって余暇活動や娯楽の発展が促され、更には文化や芸術の勃興も牽引したのです。

北投一日の清遊 台湾日日新報1919年4月26日

インスタレーション作品説明
『山麓に位置する北投の盛会』は、北投大納涼会から発想を得て、大浴場を一つの巨大なアイス屋さんにしました。そして、そこに当時は最先端だった北投の交通施設や、新しい娯楽とイベント、多元的なグルメなどの要素を融合させました。まるで百年前の大正ロマンの時代が甦ったかのようです。虚実が呼応する幻想的な模型やインスタレーションにより、レジャーやショッピング、カルチャーイベントなどが集中していた当時の北投が姿を現わし、百年前のレジャースポット─北投温泉の盛況が再現されます。

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「北投・高山エリアの空撮」、
「台湾公開解説」、1936年9月1日。

